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子どもの問題行動⑦ あいまいすぎる指示
子どもが親の言う事を聞かないという時に、子どものせいにしてしまわずに、自分の指示の仕方を振り返ってみましょう。
これまでにすでに5つの指示の問題についてお話ししてきました。
続いて6つ目にお伝えするのは、指示が曖昧であるということ。
さて、あなたの指示の出し方は、どうでしょう。
笑いながら注意する
以前、こんな様子を目にしたことがあります。
子どもに楽器の演奏方法を教えている指導者の方がいらっしゃいました。
とても優しくて、温かい感じの男性です。
毎週一回のお稽古で、子どもたちは、優しい男性の指導を受けて徐々に演奏が上手になっていました。あ
る時、子ども同士でおしゃべりに盛り上がり、指導者の男性の言葉が届かない状態になった時のことです。
その男性は、「話をちゃんと聞くように・・」と大きな声で叱りました。
けれども、子どもたちの行動は改まらず、そばで見ている私はイライラしていました。
一度注意をしたにもかかわらず、話を聞かない子どもたちに、その男性は次はもっと強い口調で注意しました。
ところが、その男性は注意の言葉の後、笑顔でした。
言葉では怒られているように感じる子どもたち。
けれども、表情を見ると、笑っている。
この様子から、子どもたちは、注意されているけれど、笑って許してくれている。
そんなふうに感じてしまっても仕方ないな・・と、見ていた私は感じました。
目で見て感じることと事実の差
俳優の「竹中直人」さんが、笑いながら怒るという事をよくテレビの中でやっていた時期がありました。
「怒っているのか、笑っているのか」・・どちらとも取れる、そんな様子を表現しているのですが、本来伝えたいのはどちらでしょう?
「お笑い」の面白い表現方法として見せるのはいいとしても、現実の世界で、笑顔で注意されたら、子どもは注意をされているのか許されているのか分からなくなってしまいます。
それでは、子どもに注意したい時、どのようにするのがいいでしょう?
子どもは、言葉からも情報を得ようとしますが、視覚的に目に入る情報から、判断する方が得意です。
ですから、言葉では、「叱る」、「注意する」という内容であっても、表情が優しい笑顔であれば、叱られているとか、注意されていると感じにくくなって、結果として、「言うことをきかない」ということになってしまいます。
自分はどんな顔で注意ている?
「言うことをきかない」と言って子どもを責める前に、自分の指示の出し方、注意するときの表情に気をつけてみてください。
もしかしたら、怒って注意しているのに、顔は笑っているなんてことになっているかもしれません。
そう、自分ではその時の表情を確かめることがありませんので、誰かに頼んでおいてもいいかもしれません。
注視する時は注意する顔、表情が必要です。
特に発達特性のあるお子さんには、言葉の強弱から読み取ることや、雰囲気から読み取りなさいということは、定形発達のお子さんよりも、困難です。
見ていることが全て、となる子どもが多い中、表出の方法には気をつけたいものです。
言っていることと表情が一致するように、意識しましょう。
子どもは、視覚からの情報が取り入れやすいということも、常に意識しておくといいですね。
子どもの問題行動の要因が、実は大人の行動にある。
そんなことが実はあるということを知り、子どもの問題行動にしてしまうという失敗が起こらないようにしたいものですね。
親子の関係を、大人の一方的な決めつけで潰してしまわないように気をつけましょう。
そして、いい親子関係を続けていきましょう。